ロシア語のソネットとGoogle翻訳

今回はGoogle翻訳様について書きます。

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オークランドで、友人に頼んで本屋や古本屋に連れて行ってもらいました。本だけを売っているようなお店はだんだん少なくなり、日本や中国のような「本屋ビル」などは無いそうです。おしゃれな小売店で、お店の一部に本を置いている程度です。

この本はロシア系のドラッグストアで見つけ、購入しました。挿絵が素朴でよいと思ったからです。

カバー

本体の表紙

もちろん何の本なのか、さっぱりわかりません。呪いの書だったらどうしようとか、税関で没収される内容だったらどうしようとか、ドキドキしますね。

無事持ち込めましたので、調べることにしました。

最近はもう何でもGoogle頼み。簡単な英語でも読むのがつらいのです。


まずは本を調べてみましょう。

カバーをGoogle Lensでscanしましたが、飾り文字なので翻訳してくれません。手がかりは、最終ページにあるISBNコードです。5から始まるのがロシアだとWikipediaに書いてある。ロシアのISBNコードって大丈夫なの?などと失礼なことを考えながら、このコードでググると、

Hitしました。こんな画面が表示されました。おお、まったくわからないではないですか。↓

「ピックン・コヘット」に見えるが、音声では「ロウスキッサニア」と聞こえます。「p」は「r」なのかな、似てるし。

Googleページ翻訳で日本語に翻訳します。↓

「ロシアのソネット(20世紀の第1四半期)」だったんですね。(ソネットって、なんだっけ…)

『中古科学』ふむ。『20.1頁』、変換前の『p.』は通貨単位か?気になるところ。

ミンスクまで宅配で5ルーブル、ベラルーシ郵便で5ルーブル、ラコフスカヤ…?ベラルーシの古本屋らしい。今ここで注文したらベラルーシから送られてくるのかしら。

ベラルーシといえば、以前激しい内戦をしていたところ。大丈夫なのだろうか。

ベラルーシで検索していたら、こんな絵がでてきました。分割される国、悲劇です。

リガ平和条約に基づいた、ポーランドとソヴィエト・ロシアによるベラルーシ分割を批判するプロパガンダポスター。


ちなみにミンスクの姉妹都市は仙台市だそうだ。

念のため、ロシア語 → 英語 に翻訳。ロシア語 → 日本語の翻訳と大差ない気がします。↓

さて、本の内容ですが、絵がきれいです。問題は文章。↓

PCにテキストを取り込む方法がわからなかったので、スマートフォンのGoogle Lensでページを写し、テキストとしてPCに転送しました。

ロシア語テキストはこの通り。↓

Николай Минский → ニコライ・ミンスキー、作者でしょう。

『Мой храм
Кто строит храм, тот создает две славы:Свою и разрушителя. ТворцуПридет на смену Герострат лукавый,и факел унаследует резцу.
А пред потомством оба будут правы,Молва им даст по равному венцу.Но ты, мой светлый храм воздушноглавый,Ты не подвластен общему концу.
Построен ты над бездной разрушеньяИ в горнах отрицания закален.В тебе не смолкнут гимны утешенья:
Их каждый звук печалью окрылен.Тебя хранит страданий легион,и смерть сама - в челе их ополчения.』

ロシア語 → 日本語 にGoogle翻訳。結果。下記の通り意味不明でした。↓


『私の寺院
神殿を建てる者は二つの栄光を生み出します。彼と駆逐艦。 クリエイターへcraftなヘロストラタスが置き換わりますトーチはカッターを継承します。
そして、子孫の前に、両方が正しいでしょう、うわさは彼らに平等な冠を与えるでしょう。しかし、あなた、私の明るい神殿は気が進まない、あなたには共通の目的はありません。
奈落の底に建てられたそして、否定の炉で和らげられます。慰めの賛美歌はあなたに失敗することはありません:
彼らのすべての音は悲しみに触発されています。軍団はあなたを苦しめ続けますそして死そのものは彼らの民兵の額にあります。 』

調べたところ、ニコライ・ミンスキーはロシア象徴主義運動の文学者だそうで。

ヘロストラトスは古代ギリシアの人で、有名になりたいがためにアルテミス神殿に放火した人だそうです。絵からしてもそのことをうたっているようですが、私にはさっぱり理解できません。その辺の素養があると、こういうものも楽しめるのでしょうか…。

念のため、ロシア語 → 英語。↓


『My temple
He who builds the temple creates two glories:His and the destroyer. To the creatorHerostratus the crafty will replaceand the torch will inherit the cutter.
And before the offspring, both will be right,Rumor will give them an equal crown.But you, my bright air-domed temple,You are not subject to a common end.
Built over an abyss of destructionAnd in the furnace of denial is tempered.The hymns of comfort will not fail in you:
Their every sound is inspired by sadness.The legion keeps you sufferingand death itself is in the forehead of their militia. 』

そして、英語 → 日本語。↓


『私の寺院
神殿を建てる者は二つの栄光を生み出します。彼と駆逐艦。 クリエイターへcraftなヘロストラタスが置き換わりますトーチはカッターを継承します。
そして、子孫の前に、両方が正しいでしょう、うわさは彼らに平等な冠を与えるでしょう。しかし、あなた、私の明るい空中ドーム、あなたには共通の目的はありません。
奈落の底に建てられたそして、否定の炉で和らげられます。慰めの賛美歌はあなたに失敗することはありません:
彼らのすべての音は悲しみに触発されています。軍団はあなたを苦しめ続けますそして死そのものは彼らの民兵の額にあります。 』

ロシア語→日本語と、ロシア語→英語→日本語の結果に差異なし。やはりGoogle翻訳は、陰で ロシア語 → 英語 → 日本語 と訳していますね。

また詩歌のような文章には翻訳するという技術だけでなく、教養も必要なことがわかりました。

新緑の中を走る列車の窓にもたれながら、ふとポケットから詩集をだし、読み始めるプルシェンコ様のような青年がいるといいのにね!

という訳で、ロシア語の本を読んでみるという試みは失敗しました。Google翻訳にはもっと頑張ってもらわないといけません。


最近、学生の英語の試験方法が問題になっていましたが、不正な商売のことはともかく、外野にはよくわからないことがありました。「学校で英語を教える理由は何だろう」。私が学生だったときは、最終目標は「仕事で文書を読み書きするため」だったように思います。結局は英語のできない大人になりましたがね。

文科省は「グローバル化にともない」みたいなこといっているけれども、気に入らないです。

現代では、聞いたり話したりが必要なのはわかります。でも「ハイ、トム!元気?」とか言うために学ぶのではありませんよね?海外旅行で「これはおいしいか」とか聞くためでもありませんよね。英語を使えさえすればグローバルなのか?変じゃない?


最後に、ロシア語ができる方、この詩の意味を教えてくださいね。

(2019/12/26)