ゆきゆきて、神軍 

- 原一男 監督

みんな、帰りたかっただろうな。

奥崎謙三氏は、大日本帝国陸軍所属、1943年1月に独立工兵第36連隊に配属され、4月に当時激戦地だったイギリス領東ニューギニアに派遣された。部隊は敗走を重ねながら飢えとマラリアに苦しみ、千数百名のうち生き残ったのはわずか30数名だった。 (Wikipediaより)

そののち「神軍平等兵」と名乗る。

私は奥崎氏の攻撃力に、抗えなかった。監督の忍耐強さもすごい。これは変な犯罪者を面白がって撮っている映画だとは思わない。

ゆきゆきて、神軍   https://youtu.be/z8js5QM-AGE?si=QgYyBm_SopN2-G23



私は奥崎氏の本を三冊しか持っていない。読むのが辛くなったからだ。この人は戦争から逃れられない、その苦しみに付き合いきれない。

しかし今日、再度読むべきかなと思った。政治がキナ臭すぎる。

帰ってこれなかった人たちのことを思い出そう。

余談:『ヤマザキ、天皇を撃て!』で、奥崎氏はニューギニアの密林をさまよったあげく、現地人の男 に親切にされる。現地人が「アメリカ・イギリス・オランダ・インドネシア・ニッポン・サマ・サマ」と言ったので、「日本様、様」かと思い、後にインドネシア語で「サマ」は「同じ」だと知った、とある。

どちらもちがう。インドネシア語でsama-samaは「どういたしまして」だ。現地人は嫌味を言ったのかもしれない。

(2019/07/19)