中目黒

解放されたい

今夜は久しぶりに夜の電車に乗った。

中目黒を通った。ああ、今も同じなんだな、と思う。

終電間際に、中目黒から東横線に乗ることを考えるとうんざりする。

めちゃ混みだから。

ある時、現場が池尻だったので、たいてい中目黒まで歩いて、電車に乗った。

残業してちょっと飲んで中目黒にたどり着くと、もう11時である。そして、中目黒駅のホームに行くと人があふれそう、来る電車も人でいっぱいである。

一緒に飲んでいたFさんは、しょっちゅう「こおろぎさん、俺無理」と言うので、それからまた飲みに行って、結局タクシーで帰ったりした。

外国の現地時間にあわせてテストをする時は、昼出勤して終電帰り、もしくは夕方出勤して始発で帰るスケジュールを作らざるをえない。お客も元請けも、タクシー代は出せない、というからだ。私たちは限られた条件内でやりくりするしかなかった。

そんなときは、仕事が終わったら(終わってないんだけど)やっぱり飲みにいく。そうすると朝だ。FさんとHさんは、次に朝から飲める店に行くのだった。

ずーっと働いていると、興奮が止まらなくなり、どうしても飲みに行きたくなる。「飲みたい」のではなく、「飲みに行く」ことが大事。興奮が続いているから話をしたいし、飲みたい。でも興奮を収めたいから飲みたい。神経がキンキンになっているのをほぐしたいのだ。

そんな訳で、私たちは飲み代とタクシー代をたくさん費やし、そののちプロジェクトは終わり、解散した。

数年後、何かの用事で、木場でHさんに会った。手がぶるぶる震えて、抑えても止められない様子だった。ああ。

また、数年後の暮れに、Fさんから中目黒に呼び出された。金の無心だった。競馬。借金もあるという。私は怒り爆発!でも、大事なFさんが、正月に横浜のアパートで干からびているのが発見されたとか聞きたくなかったので、渋々ふるさとへの電車代を貸した。ちゃんとお兄さんに相談しなさい、と言った。

その後、自分も体調を崩してしまった。こんな風に、夜中にPCを触っているのはすごくよくないことなのだが、興奮した夜はきっぱり落ち着けない体になっている。

不規則長時間労働撲滅!

インチキな客も元請けも撲滅!!

そして、いつかは電車代が返ってくると信じている。借りた金の事って、実は忘れられないよね?

(2019/06/29)